Google Search Consoleの見方|中小企業が毎月確認する7項目
執筆・監修:株式会社AO
Google Search Consoleを開いても、数字を眺めるだけでは改善につながりません。大切なのは、検索で見つかった回数、クリックされたページ、問い合わせにつながったページを同じ順序で確認し、翌月に実行する施策を一つ決めることです。本記事では、中小企業の担当者が月1回・60分を目安に確認する7項目と判断基準を整理します。
この記事で分かること
- Search Consoleで毎月確認する7項目と見る順番
- 表示回数・クリック・CTR・平均掲載順位の使い分け
- 検索クエリとページから改善候補を選ぶ方法
- GA4と組み合わせ、問い合わせまで評価する月次運用
確認前に期間と成果の定義をそろえる
原則は「直近の完了した1か月」と「その前の同じ長さの期間」を比較します。曜日数や繁忙期が大きく違う場合は前年同月も併記してください。新しいデータは集計途中で変わることがあるため、月初当日までを含めず、比較条件を毎回同じにします。
Search Consoleが示すのはGoogle検索での表示とクリック、インデックスなどです。問い合わせ完了や商談の質は単独では分かりません。そこで、問い合わせ完了をGA4のキーイベントなどで計測し、ランディングページURLを共通キーにして照合します。Google公式の連携機能では、Search Consoleの指標とAnalyticsの行動指標をランディングページ単位で確認できます。
既存のSEO内部対策チェックリストがHTMLや内部リンクなどの実装点検を扱うのに対し、本記事は月次データから改善対象を選ぶ運用に絞っています。
中小企業が毎月確認する7項目
| 項目 | 確認画面・指標 | 判断と次の行動 |
|---|---|---|
| 1. 緊急性の高い通知 | 概要、メッセージ、手動による対策、セキュリティの問題 | 警告があれば通常の改善より先に、影響URLと原因を確認する |
| 2. 検索全体の変化 | クリック数、表示回数、CTR、平均掲載順位 | 前月差を確認し、サイト全体か一部ページかを切り分ける |
| 3. 検索クエリ | 検索パフォーマンスの「クエリ」 | 重要テーマの表示増減、意図とのずれ、新しい需要を確認する |
| 4. ページ別成果 | 検索パフォーマンスの「ページ」 | 表示が多くCTRが低いページ、急落した重要ページを選ぶ |
| 5. インデックスとサイトマップ | ページのインデックス登録、URL検査、サイトマップ | 重要URLが未登録なら理由、canonical、クロール可否を確認する |
| 6. Core Web Vitals | モバイル・PCの不良URL、LCP・INP・CLS | 不良グループと代表URLを特定し、共通テンプレートから直す |
| 7. 問い合わせへの接続 | GA4のランディングページ、キーイベント、商談記録 | 検索クリックだけでなく問い合わせ数・内容まで見て優先順位を決める |
1. 通知と重大な問題を最初に確認する
概要とメッセージを開き、手動による対策、セキュリティの問題、急なインデックス障害がないかを確認します。手動による対策は検索結果での表示低下や除外につながり得ます。セキュリティの問題は、ハッキングや利用者に害を与える可能性がある挙動を示します。該当時は、コンテンツ改善を進める前に影響範囲を特定してください。
概要に表示される「おすすめ」は、サイトデータから得られた対応候補で、常に表示されるとは限らず、実施は任意です。内容と自社の優先度を確認して採否を決めます。
2. 4指標は役割を分けて読む
- クリック数:Google検索結果からサイトへ移動した回数
- 表示回数:検索結果にサイトへのリンクが表示された回数
- CTR:クリック数を表示回数で割った割合
- 平均掲載順位:表示された中で最上位の結果の位置を平均した値
平均掲載順位だけで評価しないことが重要です。Googleも、順位の絶対値より表示回数とクリックの傾向を重視するよう案内しています。表示回数が増えクリックも増えていれば認知範囲が広がった可能性があります。表示回数だけ増えてCTRが下がった場合は、新しいクエリで露出した影響もあるため、すぐに失敗と決めずクエリとページへ分解します。
3. クエリは「件数」より検索意図を見る
クエリをクリック数や表示回数で並べ、指名語、課題語、比較語、地域語など自社に合う区分を付けます。重要な非指名クエリで表示が増えているか、想定外の意味で表示されていないか、一つのクエリに複数ページが出ていないかを確認します。候補を新規作成・既存改善・統合へ振り分ける方法は、SEOキーワード選定の6ステップをご確認ください。
プライバシー保護のため一部の匿名化クエリは表に表示されず、表はすべての検索語を網羅しません。合計値とクエリ行の単純合算が一致しない場合があるため、見えている語だけで市場全体を断定しないでください。
4. ページ別に改善候補を1〜3件へ絞る
「ページ」タブで、前月比の変化が大きいURLを確認します。重要サービスに近いページを優先し、クリック減少なら該当ページを選んだまま「クエリ」へ切り替えて原因を探します。
- 表示回数が多くCTRが低い:タイトル、検索結果の説明、検索意図との一致を確認
- 表示回数とクリックが同時に減少:クエリ需要、競合、内容の鮮度、インデックスを確認
- 流入はあるが問い合わせがない:対象読者、本文の判断材料、サービス導線を確認
- 複数ページが同じクエリで表示:役割の重複と統合・内部リンクを検討
既存ページ全体を直す場合は、SEO記事のリライト手順と判断表で維持・更新・統合・廃止を分けます。低CTRページのtitleだけを見直す際は、固定の文字数やキーワード数だけで決めず、SEOタイトルの改善手順と書き換え例に沿って、表示クエリ、本文、H1、公開後の検証条件をそろえます。
5. インデックスは重要URLから調べる
「ページのインデックス登録」は、Googleがクロールを試みたページと登録状況の全体像を示します。ただし、Googleが未発見のURLは集計に含まれません。未登録件数をゼロにすることを目的にせず、サービス、主要記事、会社情報など検索に出したいURLが登録されているかを確認します。
重要URLに問題があればURL検査を使い、Googleが選んだcanonical、クロール可否、インデックス可否を確認します。サイトマップ画面では、送信済みサイトマップをGoogleが処理できたか、解析エラーがないかを確認してください。
6. Core Web VitalsはURLグループで直す
Core Web Vitalsレポートは、実際の利用データを基にLCP、INP、CLSを評価し、類似ページをグループ化します。モバイルとPCを分け、「不良」「改善が必要」の代表URLを開きます。共通する画像、テンプレート、JavaScriptが原因なら、1ページずつではなく共通部品を修正する方が効率的です。
データ量が少ないURLはレポートに表示されない場合があります。表示されないことを「問題なし」とは判断せず、重要URLはPageSpeed Insightsなどの個別テストと実機確認も組み合わせます。
7. 検索データを問い合わせまでつなぐ
Search Consoleのクリック数が増えても、事業成果が増えたとは限りません。GA4とSearch Consoleを連携すると、「Google オーガニック検索トラフィック」レポートでランディングページにSearch ConsoleとAnalyticsの指標を関連付けられます。問い合わせ完了などのキーイベント、フォームの内容、営業側の有効商談判定を同じURL単位で月次表へ加えます。
クエリと個々の問い合わせを直接ひも付けるのではなく、「どのランディングページが、どの検索意図で露出し、そのページ経由の問い合わせがどう変化したか」を見ます。個人を推測する分析は避け、集計値で意思決定します。
60分で終える月次確認の手順
- 0〜10分:期間を前月と前々月に設定し、通知・手動による対策・セキュリティを確認する
- 10〜25分:クリック・表示回数・CTRの全体差と、差が大きいクエリを確認する
- 25〜40分:差が大きいページを1〜3件選び、該当クエリと検索意図を確認する
- 40〜50分:重要URLのインデックス、サイトマップ、Core Web Vitalsを確認する
- 50〜60分:GA4と商談記録を照合し、担当者・期限・確認指標を含む施策を一つ決める
月次表には「対象URL」「変化した指標」「想定原因」「実施内容」「担当者」「実施日」「次回確認日」「問い合わせ・有効商談」を残します。原因が分からないまま複数箇所を同時に変えると検証できません。まず影響が大きく、修正理由を説明できる1〜3ページに絞ります。
数値の組み合わせから施策を決める比較表
| 見え方 | 確認すること | 施策候補 |
|---|---|---|
| 表示増・クリック増・問い合わせ増 | 増えたクエリとページ、問い合わせの適合度 | 関連する不足情報を追加し、サービス導線を維持する |
| 表示増・クリック横ばい | 新規クエリ、CTR、タイトルと本文の一致 | 重要クエリに対するタイトルと冒頭を改善する |
| クリック増・問い合わせ横ばい | ランディングページ、対象読者、CTA、計測漏れ | 判断材料とサービスへの次の行動を改善する |
| 重要ページだけ急落 | クエリ、インデックス、canonical、更新・サイト変更 | 技術要因を除外後、検索意図と内容の差を見直す |
月次チェックリスト
- 比較期間と検索タイプを前月とそろえた
- 手動による対策・セキュリティ・重要通知を確認した
- クリック、表示回数、CTR、平均掲載順位の役割を分けて見た
- 重要な非指名クエリと想定外クエリを確認した
- 増減が大きい重要ページを1〜3件へ絞った
- 検索に出したいURLの登録状況とサイトマップを確認した
- Core Web VitalsをモバイルとPCで確認した
- GA4のキーイベントと問い合わせ・商談の質を照合した
- 翌月の施策に担当者、期限、確認指標を設定した
よくある質問
平均掲載順位が下がったら、すぐ記事を直すべきですか?
順位だけでは決めません。表示されるクエリの広がり、端末や国、クリックと問い合わせの変化も確認します。重要ページ・重要クエリで継続的に下がり、検索意図や情報鮮度に差がある場合に修正します。
表示回数とクエリ行の合計が合わないのはなぜですか?
プライバシー保護のため匿名化されたクエリが表から除かれるほか、レポートの集計方法や行数制限の影響があります。合計値は全体傾向、表示される行は主要なクエリの分析に使います。
Search Consoleだけで問い合わせ効果を測れますか?
測れません。Search Consoleは検索結果での表示やクリックを把握する道具です。問い合わせ完了はGA4などで計測し、ランディングページと期間をそろえて照合してください。
小規模サイトでも毎月見る必要はありますか?
毎月の確認は、急な問題の発見と改善履歴の蓄積に役立ちます。ただしデータが少ない場合は短期の増減に反応せず、3か月など長めの期間も併記します。公開本数より、重要ページの登録・検索意図・問い合わせ導線を優先します。
参考にした公式情報
- Google Search Console ヘルプ「検索結果のパフォーマンス レポート」
- Google Search Console ヘルプ「パフォーマンス レポートの一般的なタスク」
- Google Search Console ヘルプ「ディメンションとデータのグループ化」
- Google Search Console ヘルプ「ページのインデックス登録レポート」
- Google Search Console ヘルプ「URL検査ツール」
- Google Search Console ヘルプ「サイトマップ レポート」
- Google Search Console ヘルプ「Core Web Vitals レポート」
- Google Analytics ヘルプ「Search ConsoleとGoogle Analyticsを接続する」